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ものづくり基礎知識6 炭素鋼 SM材(溶接構造用圧延鋼材)とSB材(ボイラ及び圧力容器用炭素鋼)

2021年5月31日

SM材は船舶用の鋼材として溶接製を高める目的で開発された材料です。

SB材はボイラーなどの中温から高温下での使用を想定した重要な部分などに使われる材料です。 今回はそんなSM材(溶接構造用圧延鋼材)とSB材(ボイラ及び圧力容器用炭素鋼)をご紹介します。

SM材の概要/性質

SM材は「エス・エム材」と読み、SはSteel(鋼)、Mは船舶を意味するMarineを指しています。

「溶接構造用圧延鋼材」という名称で、名前のとおり溶接製の高い鋼材で、船舶に限らず社会インフラを支えるパイプライン、発電プラントや産業機械などに使用されています。

SM材は軟鋼にマンガンやシリコン、リンや硫黄などを添加して作られる鋼材ですが、含まれるリンと硫黄の比率がSS材よりも少ないことがSM材の溶接製の高さにつながっています。

SS材は安価で手に入れやすく使いやすい鋼材ですが、化学成分の規定がなく溶接性の保証がないため、重要な溶接が必要とされる箇所や部品では化学成分の規定があり溶接性の保証があるSM材を使用します。

なお、JIS規格では11種類の規定があります。

「JIS G 3106:2008 溶接構造用圧延鋼材」に規定のある材料記号

SM材の種類

  • SM400A
  • SM400B
  • SM400C
  • SM490B
  • SM490C
  • SM490YA
  • SM490YB
  • SM520B
  • SM520B
  • SM520C
  • SM570

末尾にAがつくものをA種と呼び、A種は耐候性が強い材料です。熱や紫外線、雨水などの影響を受けにくいので屋外や劣悪な環境下で使用されます。

一方、末尾がBやCになっているものはそれぞれおB種、C種と呼ばれ衝撃試験を行っているタイプの鋼材になります。温度の低下に強く、脆性破壊が発生しにくいのが特徴です。

SM材とSB材の化学成分と性質
種類の記号(旧記号) 化学成分(%) 降伏点 引張り強さ
C Si Mn P S N/㎟ N/㎟
SM400A(SM41A) 0.23以下 2.5×C以上 0.035以下 0.035以下 400~510
SB410(SB42) 0.24以下 0.15~0.4 0.90以下 0.030以下 0.030以下 225以上 410~550

注) 各1品種を抜粋。JIS G3106および3103参照。

SB材の概要/性質

SBは「エス・ビー材」と読み、SはSteel(鋼)、Bはボイラー(Boiler)を意味します。

「ボイラ及び圧力容器用炭素鋼」という名称で、特に重要な部材に用いられる鉄鋼材料です。

SM材と同様に溶接することを前提に設計されていますが、常温以上での高温で稼動するボイラーなどで使用するための材料で、高温時に黒鉛化しにくいのも特徴です。

SM材に比べると硬度が高いかわりに溶接性に劣ります。厚板を溶接する際には十分な予熱が必要になります。

また、耐熱温度は400℃を目安に使用が可能(SS材では300℃)で鋼種によっては500℃まで使用可能です。

なお、JIS規格ではボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板(SB材、SB-M材)として規定され、下記の5種類が記載されています。

「JIS G 3103:2007 ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼材」に規定のある材料記号

SM材 / SB-M材の種類

  • SB410
  • SB450
  • SB480
  • SB450M
  • SB480M

末尾にMが付与されたSB-M材はモリブデンを添加されているもので、高温に対する強度が高くなり550℃まで使用可能になります。ただし、溶接性は低下するため溶接時には注意が必要です。

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