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ものづくり基礎知識5 炭素鋼 SK材(炭素工具鋼鋼材)

2021年5月13日

SK材は工具鋼と言われる、ハンマーやのこぎりといった工具材料に適した材料です。

今回はそんなSK材(炭素工具鋼鋼材)をご紹介します。

SK材の概要

SK材は「エス・ケー材」と読み、SはSteel(鋼)、Kは日本語の工具(Kougu)を指しています。

「炭素工具鋼鋼材」という名称で、名前のとおり工具類をはじめあらゆる製品に広く使われます。

ただし、高温では硬度が低下するという特徴もあり、熱の影響しにくいものに使われることが多いです。

例としてカミソリ、刃物、バネ、錐、オノ、ノコギリ、ばね・ワッシャー、ぜんまい、農機具部品、みがき帯鋼用素材、クラッチプレート、自動車用部品など家庭用の工具から工場用の機材まで広く使われます。

SK材の種類

SK材は以前は炭素量の多さに応じてSK1~SK7(旧記号)と表示され、連続番号で7品種となっていましたが、現在は11品種となっています。

記号のルールも変更されSK85(旧SK5)で炭素含有量が0.85%、SK95(旧SK4)で0.95%、SK105(旧SK3)では1.05%と含有率の100倍の数値をつけて表記されるようになっています。

基本的に炭素の量が増えるほど硬さが増しますが、焼入れした場合には0.6%を超えると硬さの上昇が緩やかになります。

一方、磨耗に関しては炭素量が多ければ多いほど強くなります。 なお、炭素含有量が0.6%以下になるとS-C材(機械構造用炭素鋼鋼材)と扱われることになります。

種類の記号 旧記号(参考) 化学成分(%) 焼入れ焼戻し硬度(HRC)
C Si Mn P S
SK140 SK1 1.30~1.50 0.10~0.35 0.10~0.50 0.030以下 0.030以下 63以上
SK120 SK2 1.15~1.25 62以上
SK105 SK3 1.00~1.10 61以上
SK95 SK4 0.90~1.00 61以上
SK85 SK5 0.80~0.90 59以上
SK75 SK6 0.70~0.80 57以上
SK65 SK7 0.60~0.70 56以上

SK90,SK80,SK70,SK60は省略。JIS G 4401参照。

SK材の種類とJIS記号

SK材の性質

SK材の特徴には硬さと耐摩耗性があげられ、用途として代表的なものが工具ですので炭素工具鋼という名称になっています。

ただし、SK材の用途は工具類に限られず、硬さや耐摩耗性が必要とされる際には広く材料として使用され、機械部品ではピンやシャフトなどにしばしば用いられます。

なお、市販のSK材の形状は基本的に丸棒や平鋼形状が中心で、SS材やS-C材ほどバリエーションはありません。

SK材は一般的に加工前または加工後に熱処理を行うことになります。

ただし、SK材の難点としては高温になると焼きが戻ってしまい、硬さが低下する点が挙げられます。

性質を下げずにSK材の使用に耐える温度の目安が200℃となりますので、熱の発生がさほど見込まれい部品や機材、あるいはハンマーやのこぎりのような人が手を用いて使用する工具材料に適していると言えます。

なお、SK材が適さない高温になる箇所の部品や工具として用いる材料としては、合金鋼であるSKH材(高速度工具鋼)などを選択します。SKH材は600℃まで使用が可能ですので、ある程度の高温の環境にも耐えられます。

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