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ヒガメタルの”ものづくり”情報特集
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ものづくり基礎知識2 炭素鋼 SPC材(冷間圧延鋼板)

2021年3月30日

鉄鋼材料の中でも、最も基本的かつ汎用的に使われるのが炭素鋼です。

その中でも今回はSPC材(冷間圧延鋼板)をご紹介します。

炭素鋼の種類

鉄鋼材料は大きく分類して、

 炭素鋼

 合金鋼

 鋳鉄

の3つに分けることができます。

鉄は純金属では柔らかすぎるため、用途が限られてしまいますので、他の成分を追加して実用に耐える材料に変更していきます。

影響が大きいのが炭素(C)で、その量によって硬さや加工性などが大きく変化します。

その他、補助的な役割としてシリコン(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)、硫黄(S)があり、炭素(C)と含めて5大元素と総称され、鉄鋼材料の基本となります。

今回紹介する「炭素鋼」はその5大元素のみで構成された材料のことを指し、対してクロム(Cr)やニッケル(Ni)やモリブデン(Mo)などその他の金属を加えたものを「合金鋼」といいます。

合金鋼は炭素鋼に比べ焼入れがしやすく、強度、耐熱性、耐食性といった性質が向上しますがより多くの元素を含むことで炭素鋼よりも高価になります。

そこで、炭素鋼で十分要件を満たす場合には炭素鋼を使用し、要件を満たさない場合には合金鋼を使用します。

主な加工材料

炭素鋼の種類

加工しやすく廉価なため一般的によく使用される鉄鋼材料である炭素鋼には、大きく分けて以下の品種に分類することができます。

SPC材 冷間圧延鋼板
SS材 一般構造用圧延鋼材
S-C材 機械構造用炭素鋼鋼材
SK材 炭素工具鋼鋼材
SM材 溶接構造用圧延鋼材
SB材 ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板

炭素鋼は含まれる炭素の量が増えるとより硬さが増す一方で、削りにくく伸びにくくなり加工性が落ちますので、要件に合わせて使用する材料を精査することになります。

炭素鋼の種類

SPC材(冷間圧延鋼板)

SPCとはJIS記号におけるSteel(鋼)、Plate(板)、Cold(冷間)の略称です。

SPC材は炭素量が少なく柔らかい材料で、0.4~3.2mmの薄い板材です。板材のみとなり、丸棒や角棒などでの扱いはありません。

冷蔵庫や洗濯機の筐体など家電製品などでしばしば使用されています。

柔らかく伸びやすい板材ですので、加工がしやすいのが特徴です。

一方、炭素鋼の中ではもっとも柔らかく強度には難があり、強い力かかるような箇所の材料として使用するには適していません。

使用の際には平版のままか、曲げ加工やプレス加工が中心となります。なお、常温で圧延しているため表面がきれいで、削らずに使用することが多いようです。

SPC材にはさらに下記の種類があります。

SPCC 一般用
SPCD 絞り加工用
SPCE 深絞り加工用
SPCF 非時効性深絞り用
SPCG 非時効性超深絞り用

絞り用とは金型で板に凹凸をつけるようなプレス加工向けになります。

生産設備の部品としては一般用のSPCCが頻繁に使用されます。

■SPC材のJISS記号
記号の種類 化学成分(%) 引張り強さ 適用
C Mn P S N/㎟ Kgt/㎟
SPCC 0.15以下 0.60以下 0.100以下 0.050以下 設定なし 設定なし 一般用
SPCD 0.12以下 0.50以下 0.040以下 0.040以下 270以上 28以上 絞り用
SPCE 0.10以下 0.45以下 0.030以下 0.030以下 270以上 28以上 深絞り用
SPC材の加工事例

ヒガメタルではSPCCを中心に、SPC材の加工を広く承っていますので、お気軽にご相談ください。

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