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ものづくり基礎知識4 炭素鋼 S-C材(機械構造用炭素鋼鋼材)

2021年5月7日

S-C材は鉄鋼材料の中でも、SS材に次いで頻繁に使用される材料です。

今回はそんなS-C材(機械構造用炭素鋼鋼材)をご紹介します。

S-C材の概要

S-C材は「エス・シー材」と読まれ、英語ではSはSteel(鋼)、CはCarbon(炭素)を意味します。

「機械構造用炭素鋼鋼材」という名称どおり、主に機会などの構造用の部品等に使用されています。

使用例としてはベアリングやドリルチャック、レンチ・工具類などになります。

S-C材の中ではS45CとS50Cが非常によく使われますが、もっともよく使われるSS材のSS400が化学成分の規定がないのに対して、S-C材には化学成分の規定があり、また有害物質のリン(P)と硫黄(S)もSS材より少なめに抑えられているため、その分だけ高価な材質となります。

S-C材の種類

S-C材には代表的なものとしてS45CはS50Cなどが存在しますが、JIS規格ではSteelのSの後に二桁の数字が入りますが、こちらは炭素量を100倍した数値で、最後のCがCarbonとなります。

S-C材はS10C(炭素量0.10%)からS58C(炭素量0.58%)まで20種類存在し、実際によく使われるS45Cの炭素量は0.45%でS50Cの炭素量は0.50%となります。

種類の記号 化学成分(%)
C Si Mn P S
S10C 0.08~0.13 0.15~0.35 0.30~0.60 0.030以下 0.035以下
S20C 0.18~0.23
S30C 0.27~0.33 0.60~0.90
S40C 0.37~0.43
S45C 0.42~0.48
S50C 0.47~0.53
S58C 0.55~0.61

計20種類の中から7種類を抜粋。JIS G 4051参照。

S-C材の種類とJIS記号

S-C材の性質

基本、炭素量が増えるほど強さと硬さが増します。

頻繁に使用されるSS材のSS400の炭素量が0.15~0.2%ですので、炭素量が0.45%のS-C材S45Cはより強い材料であるといえます。

また、基本的にS-C材は加工に関しても比較的適した硬さで、材料表面も内部も品質が高く、安定した加工が可能になっています。

溶接に関しては溶接後の冷却時に割れが発生してしまう危険性や、溶接の熱の影響で焼きが入り硬化してしまう影響で加工しにくくなってしまいます。そのため溶接にはさほど向かず、溶接が必要な箇所に関しては他の材質を用いたりねじで固定する構造を選択したりします。

焼入れに関しては炭素量が多いほど焼入れ硬度が高くなりますので、特に炭素量0.3%以上の材料は焼入れ効果が高いです。

S-C材の中でも代表的なS45CやS50Cは焼入れに向いた材質といえます。

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