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ものづくり基礎知識10 合金鋼 機械構造用合金鋼(SCr、SCM、SNC、SNCM材)

2021年7月15日

構造部品などで強い材料が必要な場合、炭素鋼のS-C材(機械構造用炭素鋼鋼材)ではなく、合金鋼を利用します。

強度と靱性の両方が必要な自動車やトラックのギヤ、建築機械のシャフトなどに使用されます。

基本、高炭素鋼にニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)などを添加して焼入れ性を向上させた合金鋼です。 今回はそんな機械構造用合金鋼(SCr、SCM、SNC、SNCM材)についてご紹介します。

ステンレス鋼の特徴
種類の記号 化学成分(%) 降伏点 引張り強さ 硬度
C Ni Cr Mo N/㎟ N/㎟ HBW
SCr420 0.18~0.23 0.25以下 0.90~1.20 830以上 235~321
SCM435 0.33~0.38 0.25以下 0.90~1.20 0.15~0.30 785以上 930以上 269~331
SNC415 0.12~0.18 2.00~2.50 0.20~0.50 780以上 235~341
SNCM439 0.36~0.43 1.60~2.00 0.60~1.00 0.15~0.30 885以上 980以上 293~352

注) 主要な種類を抜粋。Si,Mn,PとSの化学成分は省略。機械的性質は焼入れ焼戻しでの参考値。JIS G 4053参照。

機械構造用合金鋼とJIS記号

機械構造用合金鋼の種類と特徴

材料記号はSteelの「S」の後に主に含まれる金属材料を追加する形になります。

クロム(Cr)を加えた材料がクロム鋼鉄材(SCr材)、クロム(Cr)とモリブデン(Mo)を加えたものをクロムモリブデン鋼鉄材(SCM材)です。SCM材は通称クロモリと呼ばれ、自転車のフレームや六角穴付きボルトなどに使用されます。

クロム(Cr)とニッケル(Ni)を加えると粘り強さが向上したニッケルクロム鋼鉄材(SNC材)となり、そこにさらにモリブデン(Mo)を追加することでできるニッケルクロムモリブデン鋼鋼材(SNCM材)は粘り強さと引張り強さが向上します。

なお、基本的には合金鋼は添加する金属材料が増えればその分高価になりますので、材料選択の際は合金鋼を使用する場合でもSCr材やSCM材からまずは検討することになります。

機械構造用合金鋼の選定には下記のように選定を行います。

材料に硬さが必要なときには炭素量(C)の多いものを選び、靭性が求められる際には逆に炭素量(C)が少なくニッケル(Ni)やマンガン(Mn)が含まれる鋼種を選択し、引張り強さを高くしたい場合には炭素量(C)は多めでクロム(Cr)とモリブデン(Mo)を一定量以上含んだものを選びます。

また、靭性と引張り強さの両方が必要とされるケースではクロム(Cr)とモリブデン(Mo)とニッケル(Ni)を含む鋼種を選定します。

大型部品などで内部強度が必要な際にはクロム(Cr)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)が多めに添加されたものを選択することになります。

また、JISハンドブックなどに記載された数値等のデータは基本的に焼入れ焼戻しを実施した後の性能です。 この熱処理を行うことでより硬く粘り強くなります。

機械構造用合金鋼を用いる理由 1
機械構造用合金鋼を用いる理由 2

ヒガメタルでは、各種合金鋼の加工や取り扱いも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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