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ものづくり基礎知識8 合金鋼 SUS材(ステンレス鋼)

2021年7月5日

合金鋼の中でも頻繁に使われるのがSUS材(ステンレス鋼)です。

近年、急速に一般的に使用されるようになった材料で、サビに強い、加工性が高いなどの特徴からサビ防止の目的で水周りの製品によく使われ、また熱に強い性質を活かして屋外にさらされる製品にも使用されることがあります。

今回はそんなSUS材(ステンレス鋼)についてご紹介します。

SUS材の概要

ステンレス鋼のJIS記号SUSはSteel Use Stainless の略で、Stainlessは「汚れがつきにくい、錆(サビ)が付着しにくい」という意味になります。

材質としては5大元素[炭素(C),シリコン(Si),マンガン(Mn),リン(P),硫黄(S)]に、クロム(Cr)とニッケル(Ni)を加えてあります。

このクロム(Cr)と酸素が結びつくことで金属の表面が緻密な酸化膜(不動態皮膜)で覆われ、サビに強い耐食性が得られます。

例えばシンク(流し台)などのような場所では表面に傷がつくことが多く、通常の炭素鋼ではサビ対策を行ってもどうしても磨耗してメッキがはがれてしまい、サビが発生しやすくなります。

そこでステンレス鋼を用いることで、表面に傷がついても傷を自分で修復する機能を持っていて酸化膜(不動態皮膜)を自動で修復します。この修復機能は何度でも発揮されますので、長期間の使用でも安心です。

ステンレス鋼の種類

ステンレスの種類は大きく3種類に分類され、クロム(Cr)とニッケル(Ni)の含有量で異なります。

含有率の多い順に、「18-8系ステンレス」がクロム18%ととニッケル8%を含み、「18Cr系ステンレス」がクロムを18%含有、「13Cr系ステンレス」はクロムを13%含むものと成ります。

この合金の含有率が高い順に価格も高くなり、耐食性の良さ(サビへの強さ)も含有率の高い順になります。

一方で合金の含有率が高くなると強さは落ちることになり、「13Cr系ステンレス」が最も強く「18-8系ステンレス」が一番柔らかな材料となります。

ステンレス鋼の分類
ステンレス鋼の特徴
分類 代表品種 化学成分(%) 磁性 耐食性 強さ 価格
Cr Ni
18-8系 SUS304 18% 8%
18-Cr系 SUS430 18%
13-Cr系 SUS410 13%

各種ステンレス鋼の詳細

以下、ステンレス鋼の中でも代表的なものを紹介します。

1 SUS304(18-8系ステンレス)

最も頻繁に使われるもので、「サス・サンマルヨン」と呼ばれます。

耐食性・耐熱性に優れていてシンクなどのキッチンや、機械部品、理化学や医療の分野などにも広く活用されます。また、磁性がなく磁石がつかない材料ですが、曲げ加工などで加工硬化の影響で特定の箇所のみ磁性を帯びることがあります。

2 SUS303(18-8系ステンレス)

こちらは「サス・サンマルサン」と読みます。先のSUS304は加工に向きませんが、リン(P)と硫黄(S)を添加して耐食性を落とす代わりに切削などの加工をしやすくしたのがSUS303です。

そのため、SUS303は「快削ステンレス鋼」とも呼ばれます。

加工がしやすいため機械部品などに使われます。

3 SUS430(18Cr系ステンレス)

SUS304の次に良く使用されるステンレス鋼で、「サス・ヨンサンマル」と呼ばれます。

SUS304よりも安価で、磁性を持つのが特徴です。

耐食性に優れながら軟らかいのが特徴で、台所のシンクや厨房機器などの水回りのほか、食器等にも活用されます。

4 SUS440C(13Cr系ステンレス)

「サス・ヨンヨンマル・シー」と読みます。

13Cr系は熱処理(焼入・焼もどし)をすることで硬くなる材料で、特にこのSUS440Cは炭素量が1%と非常に多く、ステンレス鋼の中でも最も高硬度を有する材料です。

耐食性は他のステンレス鋼より劣りますが、硬さと磨耗への強さから包丁やナイフなどの刃物によく使われます。

分類 種類の記号 耐力 引張り強さ 伸び 硬さ
N/㎟ N/㎟ % HBW
18-8系 SUS304 205以上 520以上 40以上 187以上
18-8系 SUS303
18Cr系 SUS430 450以上 22以上 183以上
13Cr系 SUS440C 225以上 540以上 18以上 235以上

注) 主要な種類を抜粋。焼なまし材。JIS G 4303~4309参照。

各テンレス鋼と特性とJIS記号

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