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ものづくり基礎知識30 板金加工について①
2022年12月6日
板金加工とは薄い板状の金属に力を加えて切断したり曲げたりと変形させ、立体的な形状を作り出す加工方法の総称です。
手作業でハンマーなどの工具を用いて成形する手板金と、動力を利用した機械を用いた機械板金とが存在します。 今回はそんな板金加工の種類と工具を紹介します。
板金加工の種類
板金加工を大きく4種類に分けて紹介します。
(a) せん断加工(切り離し)
アルミ・ステンレス・スチール板などの板金をはさみのように2枚の刃ではさみ込んで単純に切断したり分割する方法や、金型を用いて打ち抜く方法などが存在します。 打ち抜き形状は丸や四角などの簡単なものから、角や曲線を組み合わせた複雑な形状なども可能です。
(b) 曲げ加工(L字、U字、Z形などに曲げる)
板金に力を加えて特定の形状・角度に曲げる加工です。断面がアルファベットのLやUやZの形状に曲げたり、カタカナの「コ」の形状に曲げたりとさまざまな形状に変形させます。
(c) 深絞り加工(コップのような形状に成形)
平面の板金に圧力を加えて、絞り込むことで凹状に加工して容器形状に変形する加工です。 円筒形や角筒形、円錐形や角錐形などさまざまな形状に加工を行います。
(d) バーリング加工(ねじ加工)
薄い板金にねじ穴を加工しようとすると、多くの場合はねじ穴に必要な長さが足りません。そこで板金に穴を開ける際に、下穴に大きなパンチを押し込んで穴の縁を広げながら立てます。そうすることで穴に立ち上がり(フランジ)がつき、ねじ穴に必要な長さが確保できることになります。
板金加工で使用する工具
板金加工では工具の「パンチ」と「ダイ」が、加工をする役割の中で中心的な存在です。
「パンチ」は凸型で、「ダイ」は凹型の工具を指し、このパンチとダイを精密に組み合わせて利用する際にはダイセットに組み込み、手動あるいはプレス機で上下動させて加工を行います。
また、パンチとダイの間のすき間を「クリアランス」と呼びます。このクリアランスのサイズで加工する際の力の大きさやせん断した際の面の粗さや精度に影響しますので、最適な距離になるようにクリアランスを設定する必要があります。
また、工具にかかる力が変化しますのでパンチとダイの磨耗度合いにも影響がありますので注意が必要です。
ヒガメタルは大田区のものづくり企業として、板金加工のご依頼もお引き受けしています。 お気軽にご相談ください。