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ものづくり基礎知識21 板金加工について

2022年2月10日

板金加工とは薄い板状の金属材料(ステンレス、鉄鋼材、アルミ、銅など)を、切断したり曲げたり溶接するなどして目的の形状に加工する作業のことです。

様々な大きさや形状の部品を作ることが可能で建築や内装、工業用品、産業設備、看板など広範な分野の製品を製作する際に用いられています。身近なところでは家庭用キッチン(流し台)やパソコンのフレーム、家電製品のカバーやボディ、ロッカーやゴミ箱、郵便受けなども板金加工で作られたものです。

今回はそんな私たちの生活の身近なところでも広く活用されている板金加工について紹介します。

板金加工のメリットとデメリット

板金加工のメリットとしては、薄い金属材料を用いて加工時間も短いため、切削加工・鋳造・鍛造加工といった方法に比べて軽く仕上げることができ、またコストも抑えることが可能な点が上げられます。

また、中空の形状を作ることができるので、他の加工方法では難しい、筐体やカバーやボディなどの製品を囲う役割を果たす部品の製作に向いています。

プレス機を用いたプレス加工の場合は金型の初期費用と時間がかかるものの一定の大量生産が可能になり、逆に精密板金や手板金加工を行う場合には金型を用いないため複雑な形状などの少量多品種生産に向いていると言えます。

一方、デメリットとしては何より、大きな材料を切ったり曲げたり穴をあけたりするため高い精度での製作が難しく、切削加工などで可能な精密な仕上がりを目指すのが難しい点になります。

また、単純な形状をプレス加工で大量生産する場合をのぞき、手動で行う工程が入る場合も多く、大量生産には不向きであるといえます。

そうした特長を踏まえて、板金加工を活用する必要があります。

板金加工の種類

板金加工は大きく4つに分類することができます。

  1. せん断加工(材料を切断して切り離す)
  2. 曲げ加工(L、U、Zなどの形状に折り曲げる)
  3. 深絞り加工(コップ型に材料を変形させる)
  4. バーリング加工(板金にねじを使用できるようにする)
板金加工のおおまかな種類

以下、それぞれの加工方法について紹介します。

1.せん断加工(材料を切断して切り離す)

2枚の刃で板金に両側から力を加えて、ハサミで切断するように加工する方法を「せん断加工」と言います。

中でも金型を用いて板金を抜くように切断する加工法を「打抜き加工」と呼び、丸状や角状、あるいは複雑な形状での打ち抜きなども行います。

なおせん断加工を行った際には板金に必ず「だれ」や「バリ」と呼ばれるはみ出しが発生しますので、板金加工後にバリ取りという除去作業を行うことになります。

せん断加工の模式図

2.曲げ加工(L、U、Zなどの形状に折り曲げる)

板金をさまざまな形状に曲げる加工方法です。

平らな板状の金属材料を曲げると、曲げる面の内側部分は圧縮されて、外側部分は延びることになります。

この際に圧縮も伸びもしない面を中立面と言いますが、内側が縮み外側が広がる関係で中立面は板の厚さの中間よりも内側に寄ってきます。曲げ方がきつさで中立面の位置が変化しますので、最終的な形状を考える場合には考慮に入れて寸法などを算出する必要があります。

曲げ加工の模式図

3.深絞り加工(コップ型に材料を変形させる)

平面である一枚の板金を、コップのような容器の形状に変形させる加工方法です。

家電製品から自動車部品まで広く活用されていて、ドリンク用のアルミ缶などもこの方法で製作されています。

基本、材料に力を加えて引き伸ばすことになりますので、冷間圧延鋼板のSPCDやSPCE、あるいはアルミニウムなどの比較的軟らかい金属を用いることが多いです。

4.バーリング加工(板金にねじを使用できるようにする)

板金にねじを取り付けて固定したい部分で、板金に厚さがないためにねじ穴に必要な長さが確保できない場合があります。そうした場合に板金に穴をあけてパンチを打ち込むことで穴が凹上に伸びて、擬似的に板厚が増した状態にすることが可能です。

このようにねじ穴を作る加工のことをバーリング加工と言います。

ヒガメタルでは、板金加工も自社や協力工場で広く積極的に実施しています。

大田区のものづくり企業として、お客様の事情や納期を踏まえ最適な加工方法を選択して製作を行っていますのでお気軽にご相談ください。

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