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ものづくり基礎知識34 材料を溶かして加工① エッチングと3Dプリンタ

2023年10月16日

機械加工には光や電気、化学反応によって工作物を溶かして加工する特殊な加工方法も存在します。 今回はその中からエッチングと3Dプリンタを紹介します。

材料を溶かして加工する特殊加工

工作物を溶かす特殊加工には下記のような種類が存在します。

  1.  エッチング:薬品による化学反応を活用し溶かして加工
  2.  3Dプリンタ:あらかじめ溶かした材料を多層に積み重ねる加工方法
  3.  レーザ加工:レーザ光を用いて加熱して溶かして加工4. 放電加工:電気を流し、放電効果で過熱して溶かして加工
  4.  放電加工:電気を流し、放電効果で過熱して溶かして加工

3のレーザ加工と放電加工は次回: 材料を溶かして加工②で紹介します。

化学的に材料を溶かすエッチング

エッチングは化学薬品やエッチング液(腐食液)などの化学薬品やフッ素などの反応ガス、イオン等を使って表面加工に用いられる加工法の一つです。化学反応により腐食作用を引き起こし、金属板などの工作物を溶解させたり加工したりします。切る、削るなどの方法でなく特定の部分を薬品で溶かし、工作物の表面を加工する方法です。

腐食作用で溶かす特性より、工作対象物は金属がほとんどで鉄、銅、アルミ、ステンレスなどの素材で行われます。 切削やプレス等と異なり、精密で細やかなサイズでの調整も可能な点がメリットで、薄く複雑な形状をした製品加工にも利用可能で、半導体の製造など精密な加工が求められる現場でも活用されています。

エッチング工法の模式図

エッチングのなかでも酸性あるいはアルカリ性溶液のエッチング液を使った化学反応によって工作物の表面膜を削り、露出部分を除去する一般的な手法はウェットエッチングと呼ばれます。薬品や設備面でのコストが安く、また複数回の利用が可能であるなど経済面でもメリットがある加工方法です。

一方、高真空プラズマを用いて真空環境においてプラズマ化したガスから生じるイオンや高速中性粒子、ラジカル等を工作物に当て取り除いていく方法がドライエッチングです。非常に精密な加工が可能ですが、真空環境を用意する必要があるなど大掛かりな装置が必要になりコスト面では難があり、またガス濃度や温度管理、複雑な装置構造の理解といった加工者の能力も求められる点も特徴です。

注目を浴びる3Dプリンタ

溶かしたプラスチック粉や金属粉を薄い印刷で何度も重ねることで厚みを作り3次元の立体に形作る加工方法が3Dプリンタです。 この加工方法の特徴には以下のメリットがあります。

  1. 切削加工や成形加工で不可能だった複雑な加工も可能に
  2. プログラムにより自由に形状を設計が可能

一方で下記のようなデメリットも存在します。

  1. 加工に時間がかかり、大量生産は難しい
  2. 使用可能な材料が限定されることがある
  3. 高精度な加工を行うことに難がある

一方で3Dプリンタの技術進歩は速く、上記のデメリットもどんどん解消されていっています。

3Dプリンタにはいくつもの方式がありますが、そのなかから2種の方式を紹介します。

(a) 熱溶解積層方式[FDM方式]

ポリカーボネイトやABS樹脂などを高温で溶解させ、ノズルから出力させて薄く積み重ねていくことで立体を造形する方式です。

使用可能な素材の選択肢が多く、カラーに関しても自由度が高く広く様々な製品の加工が可能です。 また、2009年に特許期限が切れていてリーズナブルな価格での購入が可能なことも特徴です。

(b) 光造形方式[SLA方式]

紫外線を当てることで硬化する液状の樹脂で満たした層に、上部から紫外線レーザを照射することで硬化させ、その工程を繰り返して層を積み上げていく加工方法です。1層分を硬化させた後、ステージを引き下げて新たな層を硬化させていきます(以下図を参照)。

レーザを1点に集中させて照射するため、複雑で精細な構造の製品の加工も可能な点が特徴です。また、造形時の出力を大きくすることで、大型なものでも造形可能な点が特徴です。

3Dプリンタ工法の模式図

ヒガメタルは大田区のものづくり企業として、多種多様な加工のご依頼をお引き受けしています。 お気軽にご相談ください。

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