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ものづくり基礎知識7 合金鋼について
2021年6月18日
これまで、炭素鋼についてまとめてきましたが、次は合金鋼についてご紹介していきます。
炭素鋼が5大元素[炭素(C)、シリコン(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)、硫黄(S)]で構築されるのに対して、合金鋼はさらにクロム(Cr)やニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、コバルト(Co)などを追加して作られるのが合金鋼です。
今回はそんな合金鋼についてのまとめです。
合金鋼とは
合金鋼は上記に記載した通り、各種金属を追加することで様々に性質が変わります。
ただし、金属を添加していることで、材料費としては高価になります。
そこで炭素鋼で事足りる箇所には炭素鋼を使用し、炭素鋼では用途や目的に合わない場合に合金鋼を選択するという形で材料選定が行われます。
合金鋼を用いることで、以下のような効果が見込めます。
- 機械的性質:強度向上、焼入れ性向上
- 物理的性質:耐熱性向上
- 科学的性質:耐食性向上
たとえばステンレス鋼(SUS材)はさびにくく、また美しさが特徴ですのでシステムキッチンなどで使われます。
用途例 | 炭素鋼 | 合金鋼 | 合金を選択する理由 |
---|---|---|---|
機械構造用 | SS材,S-C材 | SCr材,SCM材,SNC材,SNCM材 | 1)強度の向上(剛性は炭素鋼と同じ) 2)焼入れ性の向上 |
工具鋼用 | SK材 | SKS材,SKD材,SKT材,SKH材 | 耐摩耗性の向上 |
特殊用途 | ー | SUS材,ハイテン鋼,その他 | 耐食性,高硬度,高強度など |
合金鋼の種類
合金鋼には以下のような種類があります。次回以降、それぞれの情報を案内していく予定です。
- ステンレス鋼(SUS材)
- 合金工具鋼鋼材と高速度工具鋼鋼材(SK*材[SKS材、SKD材、SKT材、SKH材])
- 機械構造用合金鋼(SCr材、SCM材、SNC材、SNCM材)
- その他合金鋼