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ヒガメタルの”ものづくり”情報特集
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ものづくり基礎知識36 バリ取り①

2025年4月14日

金属加工で製品や部品を製造した際に、多くの場合に必要になるのがバリ取りです。
今回は作業者を悩ませることも多いバリ取りの概要と工具や加工法を取り上げます。

バリとは?

加工時に発生する、意図しない残留物や突起のことを「バリ」と呼びます。
バリをそのままにしておくと部品を組み合わせることが困難になったり、製品全体の精度に悪影響を与えることがあり不良品の発生の原因にもなります。また作業者や完成品の使用者の怪我のもととなるため、バリは除去する必要があります。
バリの形状や大きさ、発生の仕方などは加工方法によって異なり、また発生しないように作業を進めることは困難です。そのため、実作業においては加工後にバリを除去する「バリ取り」を実施することになります。

・バリの問題点

1. バリによる負傷
発生したバリは鋭利な角度となることも多く、作業者および使用者が触れて手や足などを怪我する危険性があります。

2. サイズの精度の悪化
高い精度で加工した部品や製品であっても、バリによって寸法が変わり異常値となることもあります。

3. 組立時の精度の低下
部品を組み立てる際にバリが残っていると、バリが邪魔となったり剥がれて部品同士の間で挟まったりすることで組立精度も低下することとなります。

4. 故障や摩耗の原因
剥がれ落ちたバリが意図しない形で他の箇所に入り込むことで、こじれや故障、部品の摩耗などにつながる恐れがあります。

・バリ除去後の形状

バリ(下図A参照)を取り除こうとする場合、バリの部分のみを綺麗に除去する(下図B参照)のは困難です。そのため、多くの場合バリの寸法以上に削る必要があります。
バリ取りはバリ取り機を使用するパターンもありますが、多くの場合は手作業で刃物やハンドツールやブラシなどを用いて行います。なおバリ取りの指示は製品の角を斜め45度に削り落とすC面取りで依頼するのが一般的ですが(下図C参照)、実際のバリ取り後の形状はC面取りとR面取り(製品の角を丸く滑らかに削る加工)の混合したような形状になることが多いです。

バリ除去後の形状の模式図

・バリ取りに用いる工具と加工法

バリ取りでは下記のような工具を用います。

1. 手作業用の工具
スクレーパーと呼ばれるハンディーツール(下図A参照)や、バリ取り専用のブラシ(下図B参照)など多くのバリ除去用の工具が市販されています。多くの工具は部品外側のバリだけでなく、穴の内部などにも対応可能な作りになっています。
また、砥石(下図C参照)や紙やすりなども仕上げ用の工具として使用されます。

2. 回転工具
効率よくバリ取りを行うための回転工具も使用します。ディスクグラインダー(下図D参照)は先端の砥石やブラシを高速回転させて研磨し、バリを除去します。
また、サイズの大きいバリが発生する場合には卓上に設置したグラインダを用いてバリを除去します。

3. バレル加工による除去
研磨槽に砥石と工作物を投入し、回転させることで凸をなくしバリを除去する例もあります。一度に多くの数のバリを処理できるとともに、作業者の習熟度を必要としない効率的な方法ですが、バリ取りの精度面では落ちたり意図しない傷ができたりするデメリットがあります。

4. その他その他にも電解方式を用いる方法や、レーザー加工機を用いる手法、薬品などを用いる化学的除去、超音波方式による除去、ウォータージェットを用いて洗浄と同時にバリ取りを行う方法など、数多くのバリ取りの方法があります。

ヒガメタルは大田区のものづくり企業として、多種多様な加工のご依頼をお引き受けしています。

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