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ものづくり基礎知識22 旋盤加工① 特徴と種類
2022年3月10日
旋盤加工は、工具を使って工作物の不要部分を除去する切削加工の一種です。
金属などの材料(工作物)を回転させて、固定した工具を当てて削っていくのが旋盤加工になります。この名称はこの加工法を行う機械の代表的なものが旋盤であることからそのまま旋盤加工と呼ばれます。逆に材料(工作物)を固定し、工具を回転させるのはフライス加工と呼びます。 今回はそんな旋盤加工の特徴や種類をご紹介します。
旋盤加工の特徴
旋盤加工では工作物を回転させて切削を行うため、材料は加工しやすい円筒状の材料が向いています。
また、多くの備品の加工に使われ、シャフトやノズルやボルトなどの自動車部品や工業製品などの加工に用いられます。
旋盤加工のメリットとしては、鉄やステンレスや銅、アルミや樹脂など多様な材質の加工が可能な点が挙げられます。
また、焼入れされて硬度が上がった材料でも加工が可能で、加工方法を組み合わせることで複雑な形状に仕上げることもできるため広く使われる加工方法です。
さらには材料を回転させながら切削するため精度の高い仕上がりが見込めることもメリットですが、人力で行う場合は作業者によって加工精度が変わってしまいます。ただし数値制御装置を備えたNC旋盤であれば0.001mm単位での正確な加工ができますので、高精度の仕上がりが求められる場合にはNC旋盤を採用します。
旋盤での加工の種類
旋盤加工は大きく4つに分類することができます。
1.外周の加工
旋盤加工における一般的な加工方法です。
円柱形上に削る方法や途中で直径を変えて段差がある形状に加工したり(下図a)、徐々に直径を変えながら円柱状に切削するテーパ加工(下図b)などの方法や、円柱に溝を入れたり(下図c)、溝からさらに切削を進めて材料を切り落とす加工などがあります。
2.端面の加工
工具を工作物の側面に当てて特定の切り口を入れる端面加工(下図d)です。なお、旋盤の構造から工作物の右側面にしか端面加工は行えないため、左側面を加工する際には左右を入れ替えたうえで加工を施す必要があります。
3.穴あけ加工
右側面から円筒の中心位置にドリルを当て、穴をあける加工(下図e)が旋盤加工では可能です。また、円筒に対して大きな直径で穴をあけた後に、さらにバイトで所定の長さまで切削することで意図する形状に加工することも可能で、これは「中ぐり加工」(下図f)と呼ばれます。
4.ねじ加工
材料の外周部分にねじ用の溝を入れていく加工を「おねじ加工」(下図g)、工作物にドリルで穴あけ加工を行った後にバイトを用いて工作物の内部に溝を作っていく河口を「めねじ加工」(下図h)と言います。
ヒガメタルでは、旋盤加工も自社や協力工場で広く積極的に実施しています。
大田区のものづくり企業として、お客様の事情や納期を踏まえ最適な加工方法を選択して製作を行っていますのでお気軽にご相談ください