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ものづくり基礎知識14 機械加工の知識:加工方法の種類
2021年10月7日
機械加工とはものづくりにおいて、設計した形状や状態に整えるために金属などの素材を工作機械や工具を用いて加工していくことです。
また、機械加工は大きく分けて5つに分類が可能です。
今回はそうした加工方法の大枠での分類と、その特徴をご紹介します。
5つの大分類
機械加工にはおおまかに下記の5つに分類が可能です。
- 切削加工(旋盤加工やフライス加工など、削って形を作る手法)
- 成形加工(板金加工や鋳造など、型を用いて変形させる加工)
- 接合加工(溶接や接着など、材料同士をくっつける加工)
- 特殊加工(レーザー加工や放電加工など、一部を溶かす手法)
- 熱処理・表面処理(材料の特性を変える加工)
以下、それぞれの加工法の特徴を説明します。
1. 板金加工(金型を用いて打抜きや曲げを行う)
これは材料を旋盤などの工具を用いて金属などの材料を削ったり穴を開けたりして余計な部分を削って設計通りの形状にしていく方法です。
加工後には基本的に切りくずが出ます。一般的に加工精度は高いですが、非常に時間のかかる加工方法です。
2.成形加工(板金加工や鋳造など、型を用いて変形させる加工)
金型を活用して打ち抜いたり曲げたりして形を整えたり、鋳型や金型に溶けた金属を流し込んで形を作ったりします。
型を用意するなど初期投資が必要で、かつ加工精度は出しにくいです、加工スピードは早く大量生産に向いた方法です。
3.接合加工(溶接や接着など、材料同士をくっつける加工)
個別に作った材料同士を組み合わせて作る方法で、一体物での製作が難しい場合などに使われます。
加工したもの同士を溶接や接着剤を用いて接合させる方法です。
4.特殊加工(レーザー加工や放電加工など、一部を溶かす手法)
光や電気により加熱したり、化学反応で材料を局部的に溶かして形をつくる方法です。
他の加工方法では難しい複雑な形状を形作る場合や、硬い材料を加工する際などに用いられます。
プラスチック粉や金属粉を積み重ねて作る3Dプリンタもこの方法に分類されます。
5.熱処理・表面処理(材料の特性を変える加工)
熱を用いて材料そのものの特性を変えるのが熱処理で、材料表面に皮膜を生じさせることで特性を変化させるのが表面処理という方法です。
材料の一部の硬さを変えたり、鉄鋼のさび防止などの目的で用いられます。
No | 加工の種類 | 特徴 | 加工名称 | 加工の方法 |
---|---|---|---|---|
① | 切削加工 | ・加工精度が高い ・加工時間を要する |
旋盤加工 フライス加工 穴あけ加工 研削加工 |
削って形を作る |
② | 成形加工 | ・一発で形を作る ・大量生産向き ・加工精度は劣る |
板金加工 鋳造 射出成型 鍛造 |
型を使って変形させる |
③ | 接合加工 | ・コストダウン | 溶接 ろう付け 接着 |
材料同士を接合する |
④ | 特殊加工 | ・力をかけない加工 ・複雑な形状が得意 |
レーザー加工 放電加工 エッチング 3Dプリンタ |
局部的に溶かす |
⑤ | 熱処理・表面処理 | ・形は変えない ・硬さを変える ・錆を防ぐ |
焼入れ・焼き戻し 焼なまし 焼ならし 各種表面加工 |
材料の特性を変える |
上記の加工方法にはそれぞれに一長一短があり、また企業や加工担当者のスキルによっても最適な対応法は変わってきます。
ヒガメタルではお客様の事情や納期を踏まえて、最適な加工方法を選択してニーズを満たしていきます。