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ものづくり基礎知識37 金型
2025年6月12日
各種ものづくりの現場において金属で製作した型枠のことを一般的に金型と総称します。
自動車のボディのような大型のものから私たちが日常使用するスマートフォンの部品など細かいものまで幅広く金型は使用されています。
今回はそんな加工の現場で重要な金型について取り上げます。
・金型とは?
金型は主にプレス機械や鍛造加工用の機械などに設置・使用し、同じ型の製品を多数作成することが可能です。
金型を用いることで設計された形を素材を転写し、早い場合は数秒で成形することができますので、小さな部品の場合は短い時間で数百,数千もの加工が実施でき、生産スピードの向上に寄与し納期や開発期間の短縮にもつながります。
・金型のメリットとデメリット
金型を用いた加工には下記のような特徴があります。
■メリット
1.納期や開発期間が短縮できる
発生したバリは鋭利な角度となることも多く、作業者および使用者が触れて手や足などを怪我する危険性があります。
2.精度の均一化を実現しながら量産が可能に
一度金型を用意すれば同品質のものを安定して製造できますので、大量生産する場合には非常に適した製法となります。
また、金型の精度を高めれば精密機器部品などのようなミリ単位の精度が必要な製品の製造にも向いています。
3.コストを抑えることが可能
生産スピードの向上がはかれるだけでなく、均一な制度の製品を用意することが可能なため、仕上げ加工が発生しにくいようにすることで全体のコストを低く抑えることも可能になります。
■デメリット
1.金型の設計ミスや成形ミスの影響が大きい
金型事態に不備や問題があると、大量に製作された製品すべてに影響が出ますので、金型を正確かつ意図した通りに用意することが重要になります。
2.少量生産には不向き
金型そのものの製作に時間がかかることも多く、また大量生産には適しているものの、少量のみを製作する場合や多少の加工や調整が必要になる場合には不向きです。
3.製作可能な形状に制約がある
成形機のサイズなどの関係で大きすぎるものには向かず、また小さすぎたり薄すぎたりする製品の製作には向かず、工場の設備や費用にもよりますが一定の制約が存在します。
・金型の種類
金型には様々な種類が存在しますが、そのなかでも代表的なものを紹介します。
1.プレス用
もっとも一般的で、自動車などの精密機械から電化製品などの日用品まで広く使われる金型です。
プレス機械などにセットした金型に板状の金属材料などを設置し、切断・曲げ・絞りなどの加工を加えて塑性加工や抜き加工を行うものです。
2.プラスチック用
溶かしたプラスチックを金型に流し込み、冷やすことで意図した形状の製品に加工します。
この製法を「射出成形」と呼称し、非常に高い精度かつ効率よく製造が可能なため大量生産に適した加工方法です。
3.鍛造用
金型を用いて叩くことで強度を与えながら変形させ、成形していくのが鍛造用金型による加工です。
熱間鍛造・冷間鍛造などに分類され、熱間金型では高温に加熱した金属に圧力を加えて変形させて製造し、冷間金型では常温の金属に圧力を加えて成形を行います。
4.鋳造用
鋳型に熱で溶かした金属を流しこみ、冷やして固め意図する形状に成形する際に使用される金型です。
エンジンなどの自動車部品、バルブなど工業用部品、農業機械部品などの製造にも用いられます。
なお鋳造には金型だけでなく砂を用いた砂型で製造することもありますが砂型が毎回製品を取り出す際に壊さなくてはならないのに対し、金型であれば壊す必要はなく繰り返し使用が可能です。
5.ダイカスト用
鋳造型の一種で溶かしたアルミ合金・亜鉛合金などを高温に加熱した状態で圧入し成形する金型です。
精密機械や電気製品などの部品やマグネシウム合金を用いるカメラや工具のボディなどの製造に使用されています。
6.その他
上記の5つ以外にも、タイヤや工業製品の製造に向いたゴム用金型や、ガラスを押型や吹型で成形するガラス用金型、金属の粉末を方に入れて焼き固めることで成形する粉末治金用金型など、多種多様な金型が存在します。

ヒガメタルは大田区のものづくり企業として、多種多様な加工のご依頼をお引き受けしています。
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